2008年6月23日月曜日
金よ、お前もか。。
*金相場下落の一因はEUのイラン制裁との見方、資金の行き先に関心
前日の取引で2%下落、1週間ぶり安値をつけた金相場の急落の一因として、欧州連合(EU)のイラン制裁が関係しているとの推察が市場で持ち上がっている。EU加盟国が23日、核開発の停止を拒んでいるイランに対して、大手銀行の金融資産凍結などを含む新たな制裁を科すことで合意。匿名のEU高官がイラン最大の国営メリ銀行が金融資産凍結の対象となると発言したことで「資産凍結前に資金を逃がす動きが出ている可能性がある」(外銀)といい、保有していた金を売り込んでいるとの見方だ。イランの経済制裁をめぐっては、米財務省が07年にかけて国営サデラト銀行を制裁対象とした際も「資金シフトをめぐる思惑が広がった」(商社)という。
*もうひとつの金相場の下落
「ベトナムの金輸入停止のニュースをきっかけに、クリーブランドやシアトルの商品ファンドが破たんの危機に直面しているなどのうわさがニューヨーク時間に流れ、心理にドル買い安心感を誘った」(証券会社)という。 米系ファンドが金の保有残高を減しているとの観測もあるという。
金は前日のNY市場で約2%下落し、1週間ぶりの安値となる1オンス=877ドルで下落した。ベトナムが貿易赤字削減のため金の輸入を停止したとの報道が下落のきっけ。けさのアジア市場では、押し目買い需要で金は反発している。 金の業界団体ワード・ゴールド・カウンシル(WGC)は23日、ベトナム政府が6月初めに、事実上金輸入を停止する措置を取ったことを明らかにした。WGCによると、ベトナム政府は同国の銀行や商社などに対し、金の輸入割り当てを停止した。
WGCのベトナム支部のコンサルタントを務めるヒュン・トラン・ハン氏は「ベトナ政府は(貿易赤字の増大を)非常に懸念しており、主要輸入品である金の輸入を停止すことで、貿易赤字を減らそうとしている」と述べた。 WGCの統計によると、07年─5月の同国の金輸入量は30トン。今年は数量ベースで倍増している。ベトナムでは通常、金は宝飾品や不動産売買に使われることが多い。しかしインフレ高進時は資産の目減りを防ぐため、資産の一部を金または米ドルに変える動きが目立つという。 同国のインフレ率は5月に25.2%まで上昇した。一方、1―6月の貿易赤字は、前年同期の3倍の水準に達する見通し。
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